「ダークナイト ライジング」予告 / 三部作最終章の予告は歴史に残る名作
映画予告編の魅力について語っていきます。
第1回となる今回は「ダークナイト ライジング」(2012)の予告をご紹介します。
クリストファー・ノーラン監督によるバットマンの実写化「ダークナイト」三部作の最終章となります。
ジョーカーによって混沌の渦に叩き込まれた前作「ダークナイト」から8年たち、デント法が制定され平和な時代が続いているゴッサムが舞台。
前作はヒース・レジャーの怪演と急逝により伝説的な作品となったこともあり、最終章となるこの作品に対する期待値も高かったはず。
そんな中発表されたこの予告編。
映像・演出・音楽すべての完成度が非常に高く、惹きつけられる場面がいくつもあります。最も紹介したい予告編の一つです。
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この予告編はバックグラウンドに流れる音楽で3つのパートに分かれので、それぞれについて紹介します。
①平和なゴッサムに忍び寄る悪の存在
初めは少年の国歌斉唱から始まります。少年の美しい歌声とベインのおぞましいマスクの対比が見事です。
棚の下に隠れた人が武装した何者かに引きずり出されるシーンは、どういう状況かわからなくても怖さが印象付けられます。
このパートで流れるこれは”Deshi Basara”の合唱は作品中で何度も使われている曲で、シンプルながら力強さを持っています。”Deshi Basara”というのはアラビア系の言葉で「立ち上がる」という意味らしいですが、予告編中の「革命だ」という意訳もゴッサム崩壊の雰囲気を盛り上げる一助になっていると思います。
アメフトの試合中に地面が崩れ落ちる場面は初めて観たとき衝撃的でした。ギリギリの所を駆け抜けた選手が振り返り、ボールを落とす演出が素晴らしく、予告編史に残る屈指の名シーンだと思っています。
あとブレイク刑事が背中でドアを開けるシーンも一瞬ですがその分緊迫感があって好きです。作品では重要な役割を担う彼ですが、予告編での露出は少なめです。
③ボロボロになりながらも這い上がり、立ち上がるバットマン
「ダークナイト」三部作に共通のテーマソングが流れるのは最後の一瞬ですが、前二作を観てきた人は思わずテンションが上がったでしょう。
「伝説が 終わる」というキャッチフレーズも、この作品にふさわしい締め方ではないでしょうか。
あるシリーズの続編の予告は前作を観た人にとっては、単発の作品に比べ印象に残りやすくなります。
「ダークナイト ライジング」の予告は前作を観た人にとってはとてもテンションが上がるものだったと思いますが、逆に言うとシリーズを観ていない人にとってはわかりづらい部分もあったかもしれません。それでも大好きな予告編なので一発目に持ってきました。
読んでいただきありがとうございました。