「メメント」予告 / 特殊な構成の意欲作
映画予告編の魅力について語っていきます。
今回は「メメント」(2000)の予告をご紹介します。
最初に紹介した「ダークナイト」三部作など数々の名作を手掛けているクリストファー・ノーラン監督の初期の作品です。かなり意欲的な作りになっています。
メメント(字幕版)(プレビュー)
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●予告編がアーカイブされて観られるようになったのは割と最近
今まで3つの予告編について書いてみて、作品の年代が偏っているなと思ったので、ちょっと前の映画をチョイスしました。今ではほとんどすべての映画予告編が、配給会社や映画紹介サイトのアカウントからYouTubeで公開されますが、そのように整備されたのは割と最近(ここ10年ぐらい?)であるため、このブログで紹介する予告編も最近のものが多くなります。でも昔のも良いのがあったらできるだけ紹介していきたいです。
この予告編は誰が作ってどこで流れたのか定かではありませんが、冒頭から無音で煽り文句が流れるなど、昔の映画館で流れていそうな雰囲気です。
○特殊な構成の意欲作
10分しか記憶を保てない主人公が、起こった出来事をポラロイド写真や自分のタトゥーとして記録していくという、あまり観たことがない設定です。さらに映画自体も特殊な構成になっていて、この作品が持つそれらの斬新な魅力を、実質90秒ほどの映像で見事に表現したのがこの予告編です。
前半はゆったりとしたBGMの中、作品の鍵となるポラロイド写真を通して、主人公について語られます。
「この話は、前にもしたか」
という一言がしびれます。全編を通して淡々とした語り口がミステリアスな雰囲気を引き立てています。
後半は一転、アップテンポな音楽の中、犯人を追う主人公の様子が描かれます。
台詞は少ないのですが、言葉が何度も繰り返されることで映像としても音声としても頭に残るシーンとなっています。
●予告編界でも巨匠のクリストファー・ノーラン
クリストファー・ノーラン監督は本編だけでなくポスターや予告編など宣伝方法にも強いこだわりを持って関わっていることで有名です。他にも面白い予告編がいくつかあるのでいずれ紹介します。
読んでいただきありがとうございました。