「チェ 28歳の革命」予告 / 粗削りだが引き込まれる伝記予告
映画予告編の魅力について語っていきます。
今回は「チェ 28歳の革命」(2008)の予告をご紹介します。
キューバで活躍した革命家チェ・ゲバラの半生を描いた伝記映画です。
二部作となっていて、予告編のタイトルは前編の「チェ 28歳の革命」となっていますが、内容的には後編の「チェ 39歳 別れの手紙」の予告も含まれています。
チェ 28歳の革命 予告編
*******
○粗削りだが引き込まれる伝記予告
前後編の予告を同時にするというのはあまり観たことがありませんが、その特殊な構成を利用した工夫が見られます。ナレーションが男性の声と女性の声で交互に代わっていき、最終的に前編のタイトルを男性が、後編のタイトルを女性が読み上げるというものです。淡々とした声の二人が交互に盛り上げていき、要所要所で二人の声が重なるという演出は、チェ・ゲバラのもつ多面性を効果的に表現できているような気がします。
あと単純に、主演のベニチオ・デル・トロが持つ強い画力がこの予告のもう一つの魅力です。特にモノクロの映像はチェ・ゲバラの本人映像かと見紛うほどです。
0:38あたりの、少し顎を上げながら歩くシーンがなぜか強烈に印象に残りました。
年代としては少し前の作品で、超大作というわけでもないので、全体として粗削りな部分もある予告編ですが、作品に引き込むという点ではかなり上手くいっていると思います。
ちなみに後編「チェ 39歳 別れの手紙」単独の予告編もあります。やや趣が変わって荘厳な雰囲気で、デル・トロの堂々とした演説はこちらでも観られます。
チェ 39歳別れの手紙 予告編
読んでいただきありがとうございました。