「イリュージョニスト」予告 / 台詞ではなく映像と音楽で魅せるフランスアニメ予告
映画予告編の魅力について語っていきます。
今回は「イリュージョニスト」(2010)の予告をご紹介します。
年老いた手品師のタチシェフと、田舎町で出会った少女アリスとの交流を描いたアニメーション映画。フランス人監督シルヴァン・ショメによる作品です。
映画『イリュージョニスト』予告編
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前回の最後に少しだけ「SING/シング」について紹介したので、今回はアニメ映画の予告を紹介します。
ディズニー、ジブリなどなど、アニメ作品は大好きでよく観るのですが、予告となると、印象に残らないものが多くてなかなかお気に入りを見つけられずにいます。
そんな中でもこの「イリュージョニスト」の予告は初めて観たときからとても気に入っている作品です。
プレゼントに喜ぶアリスと喜ばせようと苦労する手品師タチシェフの様子が、美しい街並みとともに描かれます。
1:20から始まるオーケストラの演奏と俯瞰で見る夜の街の風景は、この予告編の中で作品世界を一気に拡大するような効果を感じます。
美しいだけではいられない現実世界の厳しさ、切なさが2分間の予告にも表現されています。
0:54で登場した腹話術人形も、後半では…
タチシェフとアリスは言葉が通じないという設定もあり、この予告編では一切話し言葉は出てきません。
その代わりに状況を補足する字幕は丁寧に言葉が選ばれていて、特に終盤のこの一言を見ると、最後にいったい何が起こるのかすごく気になってしまいます。
綺麗な映像、音楽だけでなく、本編が観たくなる工夫もあり、予告編として完璧に近い出来だと思います。
読んでいただきありがとうございました。