「THE GUILTY/ギルティ」予告 / "音"の落差に釘付けになる
映画予告編の魅力について語っていきます。
今回は「THE GUILTY/ギルティ」(2018)の予告をご紹介します。
緊急通報指令室のオペレーターであるアスガーが直面するある事件を描いたデンマークの作品です。
映画『THE GUILTY/ギルティ』予告編
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○"音"の落差に釘付けになる
「トゥモローランド」を紹介した時に、良い予告編は①斬新な設定をうまく表現するタイプと②シンプルなストーリーでも演出・音楽によって印象に残るものにするタイプがあると書きましたが、この予告は完全に①のタイプです。
オペレーターの主人公が電話から聞こえてくる声だけを頼りに事件を解決していくという特殊なストーリーを、緩急つけて上手く表現しています。
コール音で始まり、電話をとったアスガーが異変に気付き、電話の相手が今誰かに誘拐されていることを突き止めます。観てる人を冒頭から作品に引き込みます。
アスガーが電話越しに指示を出して犯人を突き止めようとする様子が、緊迫感・スピード感たっぷりに描かれます。
字幕もかなり重要な役割を果たしていて、状況を説明したり、海外の称賛評を入れて本作の魅力を伝えたりしています。
そして終盤で、唐突に音楽が止み、何かに気付いたようなアスガーの表情が映された後、
「犯人は 音の中に 潜んでいる」
という字幕がゆっくり現れます。
そして最後は、始まりと同じくコール音が響く中、タイトルロゴが現れます。
静かに始まり事件が少しずつ明らかになる序盤、アスガーの奮闘をスピード感をもって描く中盤、急にトーンダウンして字幕・タイトルを印象付ける終盤と、緩急のつけ方が素晴らしい予告編です。
読んでいただきありがとうございました。