「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」予告 / バードマンとは…?
映画予告編の魅力について語っていきます。
今回は「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(2014)の予告をご紹介します。
マイケル・キートン演じる落ち目の俳優が復活を目指し奮闘する作品です。
映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』日本版予告編
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○バードマンとは妄想か現実か…
冒頭で主人公のリーガンが舞台へ向かって不機嫌そうに歩いていく場面、この部分だけで彼がすっかり落ちぶれてやさぐれてしまったことが伝わってきます。
本編では、すべてのシーンがワンカットで撮ったかのように編集されていますが、予告は当然、各場面を切り取っているのでその工夫がはっきりとはわかりません。ですが冒頭のこのシーンは長回しで撮っているからこそ伝わる彼の感情があると思います。
かつてバードマンというヒーローを演じた落ち目の俳優リーガンが、新たな舞台をきっかけに再び脚光を浴びようとする様子と、周囲の冷ややかな反応が描かれます。
本作の特徴的なところは、この後普通に舞台に挑戦するのではなく、リーガンが現実と幻想のはざまに入り、かつて演じたバードマンが背後にいるかのような錯覚に陥るところです。
ここからBGMも軽快なものに変わります。Gnarls Barkleyの”Crazy”という曲です。冒頭の部分で流れていたのもこの曲の別バージョンでした。
Gnarls Barkley - Crazy (Official Video)
リーガンはバードマンに勇気づけられはつらつとした表情になり、舞台にも前向きに取り組みます。
「LIFE!」もそうですが、こういった作品の予告の良いところは、各パートが現実なのか幻想なのか予告だけでは区別がつかないところです。単なる妄想かもしれないし、非現実的なことが実際に起こる映画なのかもしれない。事前情報なしではよくわかりません。でもはっきりしない分、本編に対していろいろと想像が膨らみます。
読んでいただきありがとうございました。