「かいじゅうたちのいるところ」予告 / 躍動するかいじゅうたち
映画予告編の魅力について語っていきます。
今回は「かいじゅうたちのいるところ」(2009)の予告をご紹介します。
同名のベストセラー絵本の実写化作品です。
すみませんが、下の動画はアメリカ本国で公開された英語版の予告で、日本語字幕がついていません。(字幕がついている動画を見つけることができませんでした)
ただ台詞は少ないので、ほとんど支障なく堪能できると思います。
Where The Wild Things Are Trailer # 1
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「メメント」の予告を紹介したときに少し話しましたが、ちょうどこの「かいじゅうたちのいるところ」が公開された2009年ごろは、予告動画がYouTubeに公開されるようになった黎明期で、オリジナルの英語版予告は残ってるけど日本語字幕版がない…という映画もあります。
〇躍動するかいじゅうたち
着ぐるみで表現されたかいじゅうたちが自然の中で躍動する風変わりな画と、勇気を与えてくれるような壮大な楽曲のマッチングがこの予告の特徴かと思います。
BGMとして使われているのはArcade Fireの” Wake Up”という曲です。歌詞も子供の心に寄り添うようなもので、映画とリンクするところが大きいです。
Arcade Fire - Wake Up (Official Audio)
はじめに、主人公となる少年マックスの視点から、かいじゅうの特徴である角やふさふさの毛並みが映し出されます。
後半からは、”INSIDE ALL OF US IS…”という字幕とともに、HOPE/FEAR/ADVEBTUREといった感情に沿った場面が並べられていきます。
他の予告のように時系列順の出来事ではなく感情ごとにまとめられているのが独特ですね。
この映画が公開された2009年ごろにはすでに、「ハリー・ポッター」シリーズなどCGを使った映像が当たり前のように使われていた時代ですが、この作品ではあえてかいじゅうたちの体はCGではなく着ぐるみで表現されています。(彼らの表情はCGで作られているみたいです)
この予告はいくつかあるバージョンの中でも初めに公開されたもので、着ぐるみによって表現されたかいじゅうたちのビジュアルや動きがここでお披露目となりました。
そのため、作り物ではなく中に人が入って演じてるからこそのリアルな動きを捉えたシーンがふんだんに盛り込まれています。
岩に激突したり…
ぶん投げられたり…
ハンドボールみたいに空中で剛速球を投げたり…
着ぐるみだからこそ、かいじゅうたちの毛がごわごわして少し汚れている感じとかも良い味が出ています。
一方で、CGで表現されたかいじゅうたちの顔はそれぞれ個性的で、とても表情豊かです。
マックス少年も、可愛らしいフード付きの服を着て、かいじゅうたちに負けず劣らず躍動感ある動きを見せており、表情も豊かです。
かいじゅうの服を着たままお母さんに抱きしめられるシーンはそれだけでグッとくるものがあります。
最後は”INSIDE ALL OF US IS A WILD THING”という字幕の後に、少年がかいじゅうたちに混じって雄たけびを上げている場面で幕が閉じられます。みんな思う存分心を開放しているのが伝わってきて、良い終わり方だと思います。
字幕やロゴの手作り感もすごく作品に合っています。
原作が世界中で人気のある絵本であるため実写化に対する注目度も高く、このかいじゅうたちの表現には賛否両論があったみたいですが、私は気に入っています。
読んでいただきありがとうございました。