映画予告編の悦楽

映画予告編の魅力をひたすら語っていきます!

「花緑青が明ける日に」予告 / 映像・楽曲・物語どれもレベルの高いアニメ映画予告

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「花緑青が明ける日に」(2026)の予告をご紹介します。若い花火師を描いたアニメーション作品です。

 

『花緑青が明ける日に』主題歌入り本予告|𝟯.𝟲 (𝗙𝗿𝗶) ❉

https://youtu.be/msYhg_3tTvo?si=wxPujwccGO1gmrON




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〇映像・楽曲・物語どれもレベルの高いアニメ映画予告

色鮮やかで繊細なアニメーションと、爽やかな主題歌が印象的で、予告だけでも非常に見ごたえがあります。それに加えて肝心のストーリーについても効果的に伝えられているのが素晴らしいです。

 

監督の四宮義俊氏は日本画を専門とした美術家で、今回が初の長編アニメーション作品とのことです。日本画をベースにした繊細な映像が、日本の伝統文化である花火を描いた物語によく調和しています。

 

主題歌はimaseの「青葉」という楽曲です。映画とコラボレーションしたMVが制作されています。

 

【imase】「青葉」×『花緑青が明ける日に』(Collaboration Video)

https://youtu.be/RJGAbR99VLQ?si=psLg6SwP1lP46UE6

 

物語としては、閉鎖を余儀なくされた花火工場の現状や、主人公の敬太郎と兄や幼馴染との関係性、そして敬太郎が目指す幻の花火「シュハリ」、と興味をそそられるものが続きます。

長くはない予告の中で映像を見せる時間や主題歌を聞かせる時間が確保されており、ストーリーについて詳しく説明できているわけではないですが、それでもすんなり入ってくるように作られており、場面の切り取り方や字幕の出し方などかなり絶妙なバランス感覚だと思います。


最後に花火が打ち上がる音とともにタイトルを持ってくるのも良いですね。

 

読んでいただきありがとうございました。

「Tony」予告 / 著名な料理人の下積み時代を描く青春映画予告

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「Tony」(2026)の予告をご紹介します。アメリカで活躍した料理人アンソニー・ボーディンの若い頃を描いた伝記映画です。




Tony | Official Trailer HD | A24

https://youtu.be/k1MVnzd2aVc?si=voMBJkcStOKDPFJJ


YouTube上で英語の音声に日本語字幕を付ける方法についてはこちらの記事をご参照ください。

 

 

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〇著名な料理人の下積み時代を描く青春映画予告

アンソニー・ボーディンは多くの人気料理番組に出演しており高い知名度を持っていましたが、2018年に自死し61歳でこの世を去りました。

波乱万丈の生涯で(日本とも結構係わりが深かったみたいです)、ファンも多いですが、彼の伝記映画が19歳の一時期だけを切り取ったものになると聞いて少し拍子抜けした人も多かったみたいです。

ただ予告を見てみると、伝記映画というよりは青春映画として期待できそうだと感じました。

アンソニーを演じるのは傑作「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」で主人公の悩める青年を演じたドミニク・セッサです。

料理本や紀行本などの書籍も高い評価を受けているアンソニーですが、はじめは作家を志してたんですね。

 

作家としての志を絶たれたアンソニーは、ブラジル生まれのシェフが経営するレストランで働き始めます。

 

青年期特有の無鉄砲さや、自分に自信を持てない感じがよく表れていて、青春映画として丁寧に作られていることが伝わってきます。主演のドミニク・セッサははまり役で、彼には若い時にしか出せない魅力が備わっているように思います。

 

慣れない環境で苦労しながら料理を学んでいく彼ですが、牡蠣の開け方をオーナーから教わり、幼少期にフランスで牡蠣を食べた時のことを語る場面が特に良いです。やっぱり予告はこういう具体的な場面がひとつあると作品に対する解像度が一気に上がりますね。

 

予告の中でオーナーとの関係性も魅力的に切り取れていると思います。初めて調理服を受け取る場面が印象的です。

 

後半のBGMとして使用されているのはSpoonの”Wild”という曲です。

 

Spoon - "Wild" (Official Music Video)

https://youtu.be/eDPhsByCL_o?si=GHr55RQFKkNuI3Qq



読んでいただきありがとうございました。

「サムライ」予告 / 数々の作品に影響を与えた傑作ノワール予告

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「サムライ」(1967)の予告をご紹介します。ある殺し屋を描いたフィルムノワールの金字塔と呼ばれる本作の4Kレストア版が2026年に上映された際作成された予告です。

 

 

 

ジャン=ピエール・メルヴィル監督×アラン・ドロン主演『サムライ 4Kレストア』予告編 2026年4月24日㊎全国ロードショー

https://youtu.be/UnGLcOTMceA?si=BQyksgmSKid_Bzwx

 

 

 

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〇数々の作品に影響を与えた傑作ノワール予告

セブン」の4K版上映時の予告と同様に、再上映によって過去の名作の新たな予告が製作されました。レストアによって見やすくなっていますが、映像や音響などは当時の質感を保っています。

 

アラン・ドロンの孤独で冷淡な殺し屋の姿がよく映えています。

 

公開以来様々な作品に影響を及ぼした作品であり、著名な監督による作品評が随所で散りばめられています。

 

パイプオルガンのような音色で楽曲が盛り上がるところで、監督の映画哲学を表す言葉が重なります。この予告の素晴らしい見せ場です。

 

読んでいただきありがとうございました。

「ハウス・オブ・ダイナマイト」予告 / 米国の軍事的危機を描く緊張感抜群のティーザー予告

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「ハウス・オブ・ダイナマイト」(2025)の予告をご紹介します。アメリカの軍事・政治を題材としたNetflix作品です。

 

 

 

『ハウス・オブ・ダイナマイト』ティーザー予告編 – Netflix

https://youtu.be/UnGLcOTMceA?si=BQyksgmSKid_Bzwx

 

 

 

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〇米国の軍事的危機を描く緊張感抜群のティーザー予告

登場人物の台詞はなく、ただ前代未聞の事態に対応する政府関係者の緊迫した映像が流れます。

予告を通してある書籍の一節がナレーションとして流れますが、これは天文学者であるカール・セーガンが宇宙における人間の位置づけについて記した” Pale Blue Dot: A Vision of the Human Future in Space”(邦題:「惑星へ」)という書籍です。人類にとっての地球の唯一性が謳われており、これにより各国が大量の核兵器を保有する現状の破滅的な危うさが強調されます。

 

ティーザー予告であるため情報が少ないですが、かえって作中の切迫した空気感がダイレクトに伝わってきます。

 

予告中で表示されるDEFCONとはアメリカ国防総省が規定する戦争への準備態勢を段階的に示すための指標です。DEFCON 5が平時、DEFCON 1が完全な戦争準備態勢を示します。(調べたところ、冷戦中にDEFCON 4、同時多発テロの際DEFCON 3、キューバ危機の際に一度だけDEFCON 2が宣言されたことがあり、DEFCON 1の発動は過去一度もありません)

状況に対する具体的な説明はありませんが、予告の進行につれてDEFCONが引き上げられ、また登場人物たちの焦燥感も膨れ上がる様子が見て取れます。

 

後日公開された本予告ではストーリーについてもう少し情報を得ることができます。

『ハウス・オブ・ダイナマイト』予告編 – Netflix

https://youtu.be/RGd_emHtaSA?si=SkHMAXWBj9BdCVZH

 

本編も鑑賞しましたが、昨年観た中ではかなり上位に入るほど良作で見応えがありました。(ただ好みが分かれる作品ではあると思います)

 

 

読んでいただきありがとうございました。

「ピーキー・ブラインダーズ: 不滅の男」予告 / 伝説的ギャングの帰還を描く硬派予告

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「ピーキー・ブラインダーズ: 不滅の男」(2026)の予告をご紹介します。19世紀末から20世紀初頭を舞台に実在したギャングをモチーフとして描いたドラマ「ピーキー・ブラインダーズ」の映画版続編です。2026年3月20日にNetflixで配信予定。

 

 

『ピーキー・ブラインダーズ: 不滅の男』予告編 – Netflix

https://youtu.be/GKpBWCLX-gY?si=tX-gvGxc2Q56mDLV

 

 

 

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〇伝説的ギャングの帰還を描く硬派予告

ドラマ「ピーキー・ブラインダーズ」は次男トーマス・シェルビーを中心としたシェルビー家がバーミンガムでギャングとして成り上がる様を描いた作品で、2013年から2022年まで計6シーズン製作された人気シリーズです。

本作は最終シーズンから4年後、1940年のバーミンガムを舞台としており、主人公はキリアン・マーフィー演じるトーマス・シェルビーです。

一線を退いた伝説のギャングが故郷に戻り再び動き出す姿が渋く描かれていて、私はドラマを観たことがありませんがそれでもワクワクさせられました。

 

本作でトーマスが対峙するのは自身の隠し子であるデューク・シェルビーバリー・コーガンが演じます。(バリー・コーガンは今回のような「無鉄砲で危うさのある若者」を演じているのをよく見かけます)

 

予告中で使用されている楽曲はGrian Chattenの”Puppet”。作品の雰囲気によく合うビターな選曲です。

 

Puppet - Taken From Peaky Blinders: The Immortal Man (Soundtrack from the Netflix Film)

https://youtu.be/nvraOoO019Q?si=eyJOM4uJGbvrXf6r

 

中盤の山場となるトミーがバーに現れる場面。彼を知らず無礼な態度を取る若者と、恐れをなして身を隠す古株の男たち、余裕を見せるトミー。こういうのはやはり良いですね。


この無礼な若者が結局どうなったのかは描かれませんが(見せ場なので予告では隠しているか、予告的に切り取れるような場面が無かったのか)、この直後にBGMが盛り上がり建物の爆破シーンが挿入され、本性を隠していたトーマスがいよいよ牙をむく様子と重なります。

 

時代としては第二次世界大戦中で、街は混沌の只中にあります。

 

最後は親子がバーで対峙する場面で締めくくられます。お互い言葉はありません。

 

 

読んでいただきありがとうございました。

「American Sweatshop」予告 / シリアスなストーリーをあえて無機質に描く

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「American Sweatshop」(2025)の予告をご紹介します。アメリカで公開されたミステリー/スリラー作品です。

 

American Sweatshop (2025) - Official Trailer

https://youtu.be/rirjAma12hA?si=OCF60dl-0YPU4ac2

 

YouTube上で英語の音声に日本語字幕を付ける方法についてはこちらの記事をご参照ください。

 

 

 

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この作品は今のところ日本で観ることはできませんが、そのうち配信されるかもしれません。興味を持たれた方は気長に待ちましょう…

〇シリアスなストーリーをあえて無機質に描く

SNS上にアップされた過激な投稿を検閲するコンテンツモデレーターとして働く主人公のデイジー。このような職業について深く考えたことはありませんでしたが、世界ではあらゆる種類の見るに堪えない映像が毎日大量に投稿されていることでしょうし、精神的にタフな仕事であることは想像に難くありません。

個人的に、こういったあまり触れたことのない職業について描かれた映画はそれだけで興味を惹かれてしまいます。

 

デイジーはこの職に就いてからそれなりに長いのか、割と事務的に仕事をこなしますが、仕事中ある1本の動画に出会ってしまいます。そこでは女性が恐ろしい目に合う様子が映されていました。

 

検閲作業を仕事と割り切っていた彼女もこれだけは見過ごすことができず、中盤以降はその動画の投稿主を突き止めようと奔走するデイジーの様子が描かれます。その行為を危険だとして止めようとする同僚たちにより、デイジーが次第にエスカレートしていく様子がさらに引き立ちます。


終盤で犯人と対峙することが示唆され予告としては盛り上がっていきますが、過激な描写は抑えめにしあえて淡白に仕上げることで、物語に集中できるようになっておりストーリーの展開が気になってしまうような構成です。

インターネット上の検閲をテーマにした作品であるため、この予告のBGMや画面の演出がやや無機質に作られているのも効果的に働いていると思います。



読んでいただきありがとうございました。

「レンタル・ファミリー」予告 / 主人公が演じる様々な役柄

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「レンタル・ファミリー」(2025)の予告をご紹介します。日本を舞台としたある俳優の物語です。

 

『レンタル・ファミリー』ティーザー予告映像<2026年公開>

https://youtu.be/S_8qaQSVVYw?si=LHs5EH3VeY48ltor

 

 

 

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日本で活動するアメリカ人俳優のフィリップが、レンタルファミリー社の役者として依頼人のために色々な役を演じるというストーリーです。

日本とアメリカの共同製作で、撮影は日本人であるHIKARI監督のもと日本で行われました。主演は「ザ・ホエール」で特殊メイクにより巨漢の英語教師を演じアカデミー主演男優賞を受賞されたブレンダン・フレイザーです。

 

〇主人公が演じる様々な役柄

予告としては、興味が引かれる設定があり、フィリップが様々な人々と様々な役で交流する場面が多数散りばめられ、さらに作品に合った主題歌が添えられており非常に完成度が高いです。

予告中で使用されているのはDavid Byrneの”Glass, Concrete & Stone"です。軽快な打楽器の音色と伸びやかな歌声が印象に残ります。

 

Glass, Concrete & Stone

https://youtu.be/d-VNf1hT_XM?si=G9mLtMvlGfPTHqoJ

 

主人公のフィリップは、かつてCMに起用されたりと仕事があったが今では減ってしまい、思うようにいかない日々を過ごしていることが冒頭で描かれます。ここで主人公のバックグラウンドを丁寧に伝えることで、後半彼が様々な人の心に寄り添う描写に説得力が生まれています。

また状況がよく分かるシーンを切り取り電話口の台詞により情報を補足することで、この説明パートの時間は最小限となっています。予告の作り方がとても上手いです。

 

中盤からは父親、友人、花婿など様々な役柄を演じる場面が切り取られています。


それぞれの状況設定だけでなく、フィリップが戸惑いながらやりがいも感じているような表情をきちんと映しているのが素晴らしいと思います。

 

最後はフィリップが父親を演じる少女とのやり取りで締められます。プロジェクションマッピングにより映し出された魚たちに対する会話ですが、レンタル・ファミリー社での彼の仕事ともかかっており、とてもきれいな終わり方です。


振り返ると予告中で主人公フィリップの台詞は意外と少ないですが、丁寧な描かれ方のおかげできちんと彼の人間性が際立ち、彼を中心とした物語であることがよく伝わってきます。

本作品、日本では2026年2月27日に劇場公開予定です。

 

 

読んでいただきありがとうございました。