映画予告編の悦楽

映画予告編の魅力をひたすら語っていきます!

「50/50 フィフティ・フィフティ」予告 / 作品のテイストを上手く伝える構成・切り取り方

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「50/50 フィフティ・フィフティ」(2011)の予告をご紹介します。ジョゼフ・ゴードン=レヴィット主演のコメディ・ドラマ作品。

 

50/50 フィフティ・フィフティ」 予告編

https://youtu.be/48Q9wPAFXH4?si=gtgFKBkRmvwe1ejg

 

 

 

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〇作品のテイストを上手く伝える構成・切り取り方

主人公がガンだと宣告されるシリアスな場面から予告が始まり、親友に報告しますが、彼は生存率が50%と聞かされて「悪くない!カジノならバカ勝ちだ」と、意外にも超ポジティブに受け取ります。この映画はガンにかかった主人公の話だけど重くならずポップに描いでいるということがこの場面で明確に伝わってきます。タイトルの50/50ともかかっているので、最初に持ってくるにはぴったりのシーンです。

 

髪を剃りナンパに繰り出す流れは、病に侵された主人公を描く他の映画では見たことのない展開で意外性があります。

 

ただ予告中ずっとポジティブなトーンで進むわけではなく、ガンが転移していることが知らされてからのパートでは主人公や周りの人々の感情をリアルに描いた場面が続きます。音楽も派手ではないですが作品によく合っています。

 

予告を通して、親友や母親、カウンセラーなど周囲の人たちの台詞も丁寧に切り取っているため、短い予告の中でも各登場人物がちゃんと印象に残るようになっています。

 

特に親友と抱擁を交わす場面は、前半でふざけ合っていた描写を入れたおかげで余計にグッときます。

 

所々に入るオレンジ色の背景のテロップも言葉選びや文字の出し方がよく考えられていて、作品に上手くマッチしていると思います。

 

読んでいただきありがとうございました。