映画予告編の悦楽

映画予告編の魅力をひたすら語っていきます!

「プアン/友だちと呼ばせて」予告 / 緻密でスタイリッシュなタイ映画予告

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「プアン/友だちと呼ばせて」(2022)の予告をご紹介します。

タイで製作されたヒューマンドラマ作品で、世界中から高い評価を受けた「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」のバズ・プーンピリヤ監督最新作です。

 

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』監督最新作!『プアン/友だちと呼ばせて』予告編 8月5日(金)公開【公式】

https://youtu.be/CcZkHdfus_A

 

 

 

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〇緻密でスタイリッシュなタイ映画予告

予告全体を通して各パートの完成度が高く、シンプルに本編を観たくなる作品となっています。

 

主人公の一人であるボスがニューヨークでバーテンダーとしての日々に明け暮れる冒頭のパートは、短時間ですが勢いがあり引き付けられます。

 

ここのBGMは” Whiplash”というジャズの楽曲で、映画「セッション」の作中で演奏されていたのを覚えている方も多いのではないでしょうか。

 

軽快なドラムプレイ!映画『セッション』「ウィップラッシュ」演奏シーン

https://youtu.be/2HCQYufdJoQ

 

タイに住むウードからガンであることを告げられ、タイに帰国して二人で旅に出るまでのパートも、とてもオシャレに軽快に描いています。

このパートでは車のエンジン音や、キーをキャッチする音、グラスに酒を注ぐ音など様々な音を効果的につなぐことがかなり意識されているように思います。

 

寿命の近いウードが切実な思いで元カノの元を訪ねていく後半のパートへと移行する時に、トイレで吐血するシーンを挟むことで病状の深刻さを上手く伝えています。

 

後半で流れているのは主題歌でもあるSTAMP & Christopher Chuの” Nobody knows”という楽曲です。ストーリーに合っていて、良い味を出しているなと思います。

 

‘Nobody knows’ เพลงประกอบภาพยนตร์ ‘One for the Road วันสุดท้าย..ก่อนบายเธอ’ | Official Lyric Video

https://youtu.be/j2AArmwuKW0

 

本作の大事な要素であるカセットテープをプレイヤーに入れる画とBGMの導入を合わせることで、この曲がカセットから流れてくるように聞こえるという素敵な演出となっています。

 

ボスが走ってくるバイクに乗っている人に紙を渡すシーン、どういう場面かわかりませんがとてもオシャレで格好良いです。

ボス役のトー・タナポップはこの作品で初めて知ったのですが、表情や立ち振る舞いが画になる良い俳優さんですね。

 

最後、タイトルが出てきて予告が終わるのかと思いきや、ウードにはこの旅でボスにも伝えていない本当の目的があることが明かされます。

こんなことを言われたら誰でも観たくなりますよね。




読んでいただきありがとうございました。