映画予告編の悦楽

映画予告編の魅力をひたすら語っていきます!

「1917 命をかけた伝令」予告 / 作品のテーマを鮮明に伝える無駄のない予告

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「1917 命をかけた伝令」(2019)の予告をご紹介します。第一次世界大戦を舞台にした作品です。

 

『1917 命をかけた伝令』予告

https://youtu.be/GyGosOlFlZE

 

 

 

*******

 

 

 

〇作品のテーマを鮮明に伝える無駄のない予告

冒頭は、炎上した戦闘機がこちらに向かってくる場面から始まり観ている人を強く引き付けます。

主人公二人が、最初は見てるだけですが徐々にこちらに向かって落ちてきていると分かり焦って逃げ始める描写も入れているのが導入として丁寧だと思います。

 

若い兵士二人には、明朝の攻撃を中止するよう伝える”伝令”の役割が課せられます。

 

予告3分の1を過ぎたあたりから流れる楽曲がとても繊細で、戦地の過酷さや命の儚さがより鮮明になります。

“I Am a Poor Wayfaring Stranger”というアメリカの民謡を俳優・歌手のJos Slovickがカバーしたものです。

 

Jos Slovick - I Am a Poor Wayfaring Stranger (from 1917) - Official Video

https://youtu.be/fp7mdSMNQB0

 

この映画は全編ワンカットで構成されていて、構図としては主人公たちを中心としたものだけなのですが、様々な場面を切り取ることで予告として飽きが来ない作りになっています。

 

ラストシーンが本当に秀逸で、この映画の主題を見事に切り取ったワンカットで締めています。戦闘が始まり右から左へ駆けていく兵士たちの中を主人公が一人こちらに向かって突っ切って来る場面で終わります。戦闘が始まろうとする中で一人戦闘を止めようとする主人公の孤独感、必死さが良く伝わってきます。

最後に”1917”の形に画面が切り取られていく演出も印象的です。

 

読んでいただきありがとうございました。