映画予告編の魅力について語っていきます。
今回は「アトラクション 制圧」(2017)の予告をご紹介します。
地球外生命体と人類の攻防を描いたロシア製のSF作品です。
地球の運命は!?映画『アトラクション 制圧』予告編
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〇強烈なインパクトを残す球状の宇宙船
地球外生命体の侵略を描いた作品は山ほどありますが、この作品は予告の雰囲気がちょっと面白いので紹介してみたいと思います。
特徴的な球体上の宇宙船が地球に侵略する様子が、予告の大部分を使って描かれています。
ロシア映画界の映像技術がどれほどのものなのか知らなかったのですが、この宇宙船の描写はかなり魅力的で、恐怖の対象というよりも未知なる物体の美しさみたいなものが表現できていると思います。
途中で挿入される曲も、パニック映画に似つかわしくない静かで繊細なイメージです。
ロシアの女優、歌手であるПаулина Андрееваの” Closer”という楽曲です。
Паулина Андреева - Closer (OST Притяжение)
ただ、この楽曲もサビは激しい曲調で、宇宙船がマンションを切り裂いていく場面に使われています。
「ジャッジ 裁かれる判事」の” Walkabout”、 「リターン・トゥ・シネマ」の” Step Out”などもそうでしたが、静かな前半と力強いサビで構成されている曲は上手く使えばストーリーと調和し、BGMの一貫性も持たせられて効果的だと思います。
この予告ですが、今まで紹介してきた中でトップレベルに情報量が少ないです。特に最近のエイリアン系の作品は他の同系統の作品と差別化するためにいろいろと情報を付け足していくことが多いですが、この予告はほぼ宇宙船の侵略に絞って作られていて、潔さを感じます。
少女のもとに宇宙船が向かってくる画は確実に印象に残ると思うので、それだけでも予告としての使命は果たしているといえるのかもしれません。
要所で挟まれる日本語のナレーションの音質がなぜか悪いのですが、それもこの予告の独特な雰囲気に寄与しているような気がします。(気のせいかもしれません)
読んでいただきありがとうございました。