映画予告編の悦楽

映画予告編の魅力をひたすら語っていきます!

「アナザー プラネット」予告 / 壮大な設定のSFを静かに描いた予告

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「アナザー プラネット」(2011)の予告をご紹介します。ある女性が主人公のSFドラマ作品です。

この予告は英語版ですが、動画に日本語字幕を付ける方法は「クリスティーン」の記事をご参照ください。

 

Another Earth (2011) Movie Trailer

https://youtu.be/U-sWD5Sf2JU?si=d5sJKuVUmMIjoa5m

 

 

 

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〇壮大な設定のSFを静かに描いた予告

空に浮かぶ惑星と初めて交信するTVのライブ映像から予告が始まります。ジョーン博士が呼びかけた相手が英語で応答し、さらには自分もジョーン博士だと名乗ります。この場面、緊迫したやり取りをする博士たちとそれをTVで見守る人々という構図が分かりやすく、異星人の存在に驚き困惑する登場人物たちの演技も大げさすぎずより作品に引き付けられます。

 

TVを観て驚く人たちの中で主人公のローダの顔がアップで映し出され、その惑星にはもう一人の自分がいることが字幕で示されます。

 

穏やかなBGMに切り替わり、彼女のストーリーが少しずつ明らかになります。これは惑星間の交流を描く壮大なSFではなく、一人の女性を描く物語だということをきちんと伝えています。

このパートではThe Cinematic Orchestraの” That Home”という楽曲が使われています。作品によく合うように選び抜かれた曲だと思います。

 

That Home

https://youtu.be/m4iuOb8GKQ8?si=X5sE762DTCACq0MF

 

車で事故を起こし人の命を奪ってしまった彼女は罪悪感に苛まれ、もう一つの惑星に住む別の自分は同じ過ちを起こしているのか、そこで自分もやり直せるのではないかと気にせずにはいられなくなります。

 

彼女が持つチケットは、空に浮かぶ惑星に行くためのものでしょうか。この予告はもう一人の自分に対して彼女がどのような行動をとるのかということには触れておらず、本編へ上手く誘導できている良い構成だと思います。

 

予告全体を通して空に浮かぶもう一つの地球の画が効果的に使われています。

 

この作品は日本語版の予告は見つかりませんでしたが本編はDVDや配信でちゃんと見られるので興味のある方は是非ご覧ください。

本編を観ると、予告は時系列を微妙に変えて巧みに構成されていることが分かると思います。

 

読んでいただきありがとうございました。