「エンパイア・オブ・ライト」予告 / 穏やかな予告の中に漂う危うさ
映画予告編の魅力について語っていきます。
今回は「エンパイア・オブ・ライト」(2022)の予告をご紹介します。英国の劇場を舞台とした物語です。
『エンパイア・オブ・ライト』予告編│2023年2月23日(木・祝)公開!
https://youtu.be/CxQeGdR10eo?si=qp0N0FFDz75Lwj_a
*******
〇穏やかな予告の中に漂う危うさ
初めに舞台となるエンパイア劇場について描かれます。この作品の脚本はコロナ禍に執筆されたということもあり劇場が持つ特有の魅力がテーマの一つで、そのことが予告でも表現されています。
前半は劇場を経営するヒラリーとそこで働き始めたスティーヴンの二人が明るめに描かれています。
全編を通して流れているのはAngel Olsenの” Go Home”という曲で、穏やかながら力強さを持った歌声が特徴的です。
Go Home
https://youtu.be/N9oA2fshdAs?si=A9agdfHlpDAmTRAh
後半からは警察や劇場に押し寄せる暴徒など穏やかでない描写が続きます。このパートでもBGMを変えずにシームレスに描いているのがこの予告の良い点だと思います。
ヒラリーのいる部屋に警官が乗り込むシーンは、予告にしては長い時間をかけていますがこの場面で何かが明らかになるわけではありません。なぜ警官に追われているのか、彼女の表情は何を意味するのか…
ただ終盤は前向きなシーンを重ねてることで予告として収束させており、作品としての印象を損なわないようにしています。
ヒラリーは自らの劇場で何を観ているのでしょうか。
読んでいただきありがとうございました。