映画予告編の魅力について語っていきます。
今回は「レ・ミゼラブル」(2012)の予告をご紹介します。
1980年代から長く愛されてきたミュージカルの映画化作品。本作の構成も基本的にミュージカル形式となっています。
映画『レ・ミゼラブル』予告編
*******
○緻密に構成されたミュージカル予告
過去にも何度か言ってきましたが、予告編における音楽の役割は非常に大きいもので、その点でミュージカル映画はストーリーに沿った素晴らしい曲を使えるため、予告編を作るのに適したジャンルといえます。
本作は原作がかなりボリュームがあるため数分の予告に収めるのは難しかったと思いますが、時代も場所も次々変化するストーリーを挿入歌の力も借りてうまくまとめています。挿入歌はおそらくこの予告編用に編曲されており、細かい部分まで映像とリンクしています。
悲惨な状況で嘆き歌うアン・ハサウェイの迫真の演技の後、0:55からヒュー・ジャックマンの優しい歌声が入ってくる部分がとても良いです。
これは「ワン・デイ・モア」という曲で、導入部分だけでなく、終わり際も最後のパートとのつなぎ目が非常にうまく作ってあります。
そしてクライマックスはやはり、このミュージカルの代名詞ともいえる「民衆の歌」の大合唱です。2分に満たない予告ですが、大団円ともいえる素晴らしい終わり方です。
読んでいただきありがとうございました。