映画予告編の悦楽

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【番外編】「ラブ、デス&ロボット VOL.3」予告 / 9つの作品が思いがけない調和を生み出すアニメーション予告

いつもは映画の予告編を紹介していますが、今回は番外編です。

 

Netflix制作の大人向けアニメシリーズ作品「ラブ、デス&ロボット VOL.3」(2022)の予告になります。それぞれ独立した9つのエピソードをまとめた予告ですので、情報量が多いです。

Netflixが観られない方はごめんなさい。予告だけでも楽しんでいってください)

 

『ラブ、デス&ロボット』VOL.3 予告編 – Netflix

https://youtu.be/_WwmtNw6E5g

 

 

 

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〇9つの作品が思いがけない調和を生み出すアニメーション予告

「ラブ、デス&ロボット」のシーズン1は2019年に制作され、好評を博してシーズン2、3と制作されました。

シリーズ全体の製作総指揮となる人はいますが、各エピソードは世界各国のアニメーション制作会社で作られているため、テーマや画風が本当にバリエーション豊かで、それらを一つにまとめたこの予告はテイストの異なるアニメが次々と流れ込んでくる贅沢な映像作品になっています。

 

この予告のメインパートでは9つのエピソードのタイトルと10秒ほどの映像が連続して流れていきます。

シーズン1とシーズン2の予告はタイトルの表示もなく、次々と流れる映像がどのエピソードなのかわからない作りになっていました。私も初めは、「せっかく異なる多数のエピソードを一つにまとめて作るんだからそれぐらいぐちゃぐちゃの方が良いかな」と思っていましたが、改めて見比べると、やはりこのシーズン3のように各話のタイトルとあらすじが断片的にでもわかる方が俄然本編を観たくなると思いした。それぞれのエピソードを紹介する映像は短く台詞は一つか二つずつぐらいしかありませんが、それだけで大方のストーリーが分かるように選び抜かれています。

 

アニメらしいデフォルメされた画風から実写にしか見えないようなリアルな映像、幻想的な世界観、コメディタッチのもの、シリアスな描写まで本当に幅広く観ていて楽しいです。

 

特に今シリーズの目玉である「彼女の声」の映像は観たことがない世界観で、どんな作品に仕上がっているのか興味がそそられます。

 

映画の予告なら、コミカルなシーンとシリアスなシーンをつなげることで予告に緩急をつける手法がありますが(今まで紹介した中だと「アルゴ」の予告が最たる例だと思います)、今作は各エピソードの作風が違うので順番に流すだけで大きな落差を生むことができています。最後は「ロボット・トリオ: 出口戦略」のコミカルな台詞で締められていて、上手くまとまっていると思います。

 

音楽はベートーヴェンの「エリーゼのために」をアレンジしたものが流れていて、予告全体にとても荘厳な雰囲気を与えています。

 

読んでいただきありがとうございました。