映画予告編の悦楽

映画予告編の魅力をひたすら語っていきます!

「007 スカイフォール」予告 / 登場人物たちのキャラクターをスマートに描く

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「007 スカイフォール」(2012)の予告をご紹介します。

伝統あるスパイアクション映画「007」の23作目にあたる作品。ダニエル・クレイグ版のジェームズ・ボンドとしては3作目となります。

 

映画『007 スカイフォール』予告編

https://youtu.be/IIKpljEpPSA

 

 

 

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○登場人物たちのキャラクターをスマートに描く

MI6エージェントのジェームズ・ボンド、ボスのM、監視役のギャレス、武器開発係のQといった主要登場人物を前半で全員魅力的に描けているのが良いポイントだなと思います。

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特にQは久しぶりの「007」登場で、長年のファンの方は嬉しかったのではないでしょうか。しかし勿体つけることなく登場させてボンドと横並びにすることで、歴代よりも若く親しみやすいQを印象付けられていると思います。

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後半になって今回の敵役のシルヴァが登場します。演じるのは「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」でも魅力的な悪役を演じたハビエル・バルデムです。白い髪と白いスーツが、彼が抱える憎悪、悪意と対照的です。

Qとは異なり、短い予告の中でも、部屋の奥からゆっくり近づいて最後に顔を見せる演出にすることで、只者ではないことを示します。

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シルヴァに自分の役割を聞かれて、ボンドが拘束されながらも平然と”Resurrection(生き返ること)と答えるシーンが格好良いです。前半で死地から任務に舞い戻ってきたことを時間をかけて描いていたのが効いています。

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その後はおなじみのテーマソングを聴かせながらアクションシーンを流し込みます。電車に飛び乗って袖を直すシーンなどはさすがに見せ方が上手いなと思います。

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007」シリーズは作品ごとにテイストが違いますが、予告ではその違いが表れづらくかなり似通った仕上がりになってしまう傾向があります。そんな中でも、この「007 スカイフォール」の予告は過不足なくまとめつつキャラクターを魅力的に描けていて、完成度が頭一つ抜けているなと思ったので紹介してみました。

 

読んでいただきありがとうございました。