映画予告編の悦楽

映画予告編の魅力をひたすら語っていきます!

「SHAME -シェイム-」予告 / 過激な題材の中で心を打つ主演二人の演技力

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「SHAME -シェイム-」(2011)の予告をご紹介します。

性依存症の男ブランドンの苦悩・葛藤を描いた作品。

主演は「X-MEN: フューチャー&パスト」でマグニートー役を演じたマイケル・ファスベンダー、ブランドンの妹を演じるのは「華麗なるギャツビー」でヒロインを演じたキャリー・マリガン

 

映画『SHAME-シェイムー』予告編

https://youtu.be/PMWeVu0xWHU

 

 

 

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○過激な題材の中で心を打つ主演二人の演技力

静かな音楽から入り、乱れた生活を送るブランドンについて描かれます。

N.Y. 成功者 セックス中毒」

ベッドに横たわり空を見つめるブランドンとこの字幕の単語だけで、主人公の置かれている状況が鮮明に理解できます。

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そんなブランドンのもとに妹のシシーが現れ、家に泊めてほしいと頼みます。渋々受け入れたブランドンは、はじめシシーと上手く共同生活を送りますが、感情的な二人は、ある出来事をきっかけに徐々に関係が悪化していきます。二人の間の逃れられない過去が今も二人を苦しめていることが示唆されます。

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ブランドンが感情を抑えきれず涙を流すシーン、このマイケル・ファスベンダーの圧巻の演技だけでも予告を観る価値があると思います。

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「セックスを隠れみのに、男がひた隠しにする本当のシェイムとは」

ナレーションも良い味を出していて、思わず本編が気になります。

 

「私たちは悪い人間じゃない

悪い場所にいただけ」

最後に電話越しのシシーの台詞と、肩を寄せ合う二人の姿が流れます。過去に苦しみ、葛藤する二人を包み込むような終わり方で、すごく良い後味を残していると思います。

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少し過激な題材ですが、苦悩する二人の演技を効果的に演出できている素晴らしい予告だと思います。

 

読んでいただきありがとうございました。

「X-MEN: フューチャー&パスト」予告 / X-MENファンが大興奮した最後のシーン

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「X-MEN: フューチャー&パスト」(2014)の予告をご紹介します。

突然変異したミュータントたちの活躍を描く人気シリーズX-MENの作品です。X-MENシリーズは2000~2006年に初めの三部作が製作され、2011~2016年にその過去を描く新たな三部作が作られたのですが、本作は新三部作の第二作目にあたります。

この予告は今までのように事前知識なしで楽しめる作品とは違って、シリーズの展開やキャラを知っていないと面白くないかもしれません。でも、私自身X-MENシリーズのファンで、結構好きな予告なので紹介したいと思います。

ちなみに前回紹介した「最強のふたり」の主演オマール・シーも本作に少しだけ登場します。

 

映画「X-MEN:フューチャー&パスト」オンライン限定プレビュー映像

https://youtu.be/xXz-1wYxuwc

 

 

 

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X-MENファンが大興奮した最後のシーン

先に言ってしまうと、この予告の一番の見どころは最後の、若いプロフェッサーと年を取ったプロフェッサーが向かい合う場面です。X-MENシリーズを観てきた人ならみんな興奮したと思います。

 

この作品、ミュータントが壊滅状態にある現在からウルヴァリンが過去に戻って歴史を改変するというストーリーで、旧三部作の登場人物と新三部作の登場人物が夢の競演を果たします。初めてこの予告を観たときはめちゃくちゃ盛り上がりました。

 

“What’s the last thing you remember ?”

というプロフェッサーXの台詞から始まります。

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何らかの事情でやさぐれてしまったプロフェッサーが、久しぶりに使うセレブロの埃を払うシーンも良いです。

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“I don’t want your suffering.

I don’t want your future.”

と言って未来から来たウルヴァリンを拒絶するプロフェッサー。

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そんな彼を説得するのは、未来のプロフェッサー自身です。

“Please, we need you to hope again.”

この台詞で静かに予告の幕が下ります。

ジェームズ・マカヴォイパトリック・スチュワートという、同じ役を演じる二人の名優が向かい合っているだけで感慨深いものがあります。

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今まで紹介してきた予告のように全体に完成度の高い秀でた作品ではないかもしれませんが、クライマックスはとても心に残るシーンに仕上がっています。

 

この作品、予告編第一弾ということもあり全体として重い雰囲気で深刻な状況を伝えています。そのおかげで最後のシーンの深みが増しているので良い部分もありますが、本作は過去と未来でオールキャストが集結して一つの敵に立ち向かうというお祭り的な要素もあり、その部分を全面に出しても良かったかなと思います。

日本で作られたオリジナル予告編はそちらに近いテイストになっていて、このバージョンもお気に入りです。

 

映画『X-MEN:フューチャー&パスト』日本オリジナル本予告

https://youtu.be/sIfKHuhhfbo

 

読んでいただきありがとうございました。

「最強のふたり」予告 / シンプルながら非常に完成度の高い傑作予告

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「最強のふたり」(2011)の予告をご紹介します。

体が不自由な大富豪と、その介護人となった若者の交流を描いたフランス映画です。

 

最強のふたり

https://youtu.be/zIZuwGPf5hU

 

 

 

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○シンプルながら非常に完成度の高い傑作予告

ストーリーはシンプルですが、劇中の台詞や俳優たちの演技が印象に残るように上手く作られているという印象です。使われている楽曲もとても良いです。

 

障害で体を動かすことができない大富豪のフィリップが、スラム街出身の青年ドリスを雇うまでの経緯を説明した後、ドリスが全く経験のない介護に苦戦する様子が描かれます。この部分では二人の関係はうまくいっていないのですが、Earth, Wind & Fire” September”という底抜けに明るい曲をつけることで、全く重くならずコメディタッチで表現されています。

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後半では少しシリアスな曲に変わり、二人が立場を超えて絆を生んでいく様子が描かれます。ストーリー的にも前半とギャップがありますが、フィリップの友人という第三者の視点を入れることで自然に表現できています。

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バックで流れているのはVib Gyor” Red Lights”という曲です。Vib Gyorはもう解散してしまったバンドであまり知られていない曲ですが、前半で超メジャーな曲を使いつつ、後半でマイナーながらも作品に合う素晴らしい楽曲を使用しているところから、音楽もよく考えて選ばれているということが分かります。

 

一瞬ですがドリスがちゃんと介護に励むカットもあり、短い予告編の中でもしっかり伏線を回収しています。

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二人が外の世界に飛び出し、パラグライダーで空を飛ぶ場面で、ドリスが「飛ぶのは俺じゃない!」と叫ぶシーンがあります。少しだけ本編のネタバレになってしまうのですが、実はドリスは高いところが苦手で、パラグライダーを体験したいというフィリップを連れて行ったら自分も飛ぶことになってしまい、「自分は飛びたくない」という意味でこの台詞を言ったのです。ですが予告編ではこの台詞だけ切り取っているので、あたかも「一緒に飛んでるけど、フィリップが今自由に空を飛んでいるんだ!」という前向きな発言に聞こえます。これは本当に予告編の妙で、作った人はうまいことやったなと思います(フランス語では本当のニュアンスが伝わっているのでしょうか)。予告編の中でとても感動的で重要な場面になっています。

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もっと言うと、二人がディナーの席で笑い合っている場面も、本編ではかなり下世話な話で盛り上がっているのですが、予告ではすごくさわやかなシーンに見えます。切り取り方が本当にうまいです。

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あと個人的な好みもあるかもしれませんが、フィリップを演じるオマール・シーが見せる表情がどれも最高で、二人で楽しもうとする純粋な感情が伝わってきます。

彼はこの作品で数々の映画賞を受賞し、その後いろいろな作品で見かける機会が増えました。

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構成・演出・音楽・演技、どれをとっても完成度が高く、さらに本編を超えた良いシーンを生み出す離れ業もあり、予告編のお手本になるような作品だと思います。

 

読んでいただきありがとうございました。

「しわ」予告 / どこか心に引っかかる、スペインのアニメーション予告

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「しわ」(2011)の予告をご紹介します。

パコ・ロカによる漫画「皺」を原作とする、スペインのアニメーション映画です。

 

映画『しわ』予告編

https://youtu.be/8fIDtcTXOG0

 

 

 

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○どこか心に引っかかる、スペインのアニメーション予告

この映画は、養護老人施設で認知症に苦しむ高齢者を描いた作品です。

予告も明るいテイストではないですが、どこか心に引っかかるような後味を残す作品です。そういった意味で、映画を印象付けるという予告編の大事な役割を果たしてる優秀な作品といえるでしょう。

 

まず初めに、もう退職したという事実を受け入れられず、食卓でも銀行の支店長としてふるまう認知症の主人公エミリオと家族のやり取りが描かれます。

いら立ち乱暴にスプーンを突き付ける息子の様子や、状況を理解できず困惑するエミリオの表情など、一つ一つ丁寧に描写されています。この部分だけで予告編の尺の3分の1ほど費やしていますが、このシーンのおかげでこの作品のテーマや登場人物の置かれている状況が印象強く伝わってきます。

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その後、入居させられた老人ホームで、同じく認知症を患いそれぞれ妄想の世界に入り込む同居人たちが描かれます。

高齢夫婦の妻が夫の食事の世話をするシーン、言葉はないですが介護の虚しさのようなものが感じられます。

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自分は周りとは違うと信じたいエミリオは、自分の家に帰ると大声で訴えますが、周囲の老人たちは自分の世界に入り込みエミリオの話など聞いていません。

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そして唐突に、施設の職員と思われる女性が吹きならす笛の音で遮られます。どのような意図でこのシーンをタイトルロゴの前に入れたのでしょうか。

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最後はベッドの中で自分を安心させようとするエミリオの、不安そうな表情で締めくくられます。

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聴きなじみのないスペイン語の影響もありますが、独特な画風や、「認知症」という特殊なテーマなど、とにかく異色で記憶に残る作品です。

 

読んでいただきありがとうございました。

「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」予告 / 過酷なサバイバルを力強くストレートに描く

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」(2012)の予告をご紹介します。

タイトルの通り、小さなボート上で虎と漂流した少年のサバイバルを描いた作品です。

 

映画『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』予告編

https://youtu.be/46G_CXH6FSM

 

 

 

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○過酷なサバイバルを力強くストレートに描く

虎と漂流するというびっくりするようなストーリーを映像と音でストレートに力強く伝えることに主眼を置いた予告で、無駄な要素がない分、本作の魅力が存分に表れています。

 

とはいえよく見ると、シンプルな構成ながら細かいところまで丁寧に作られているのが分かります。

導入部分も、一場面でインドの美しい情景が印象に残り、ロゴ前の船のシーンはこれから始まる冒険への期待が膨らみます。

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次の場面からは、乗っていた船が大嵐に見舞われ転覆してしまう様子が描かれます。強烈な雨風と船を飲み込む大波が圧巻の映像で表現されますが、その途中に、水没した船内でシマウマとすれ違うシーンを入れることで、この作品は他の転覆ものの映画とは違った展開になっていくことを示唆します。

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イルファーン・カーン演じる大人になった主人公の語りがここでも良い効果を生んでいます。

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その後は虎と漂流し、ともに生き抜かなければならない少年の奮闘が描かれます。

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後半は全く台詞がないですが、その分字幕で状況説明がなされます。

字幕を少しずつ区切って画面いっぱいに表示するという手法をとっていて、他の映画ならちょっとくどく感じるかもしれませんが、過酷なサバイバルを描くこの映画にはぴったりな演出じゃないかと思います。

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「命を奪うのか? 希望を与えるのか?」

という文句は、この映画の一番大切な部分を端的に表現できていると思います。

 

使用されている楽曲はColdplay” Paradise”です。

 

Coldplay - Paradise (Official Video)

https://youtu.be/1G4isv_Fylg

 

やや変わった曲ですが、映像が曲に合うよう構成したり効果音を足したりすることで、曲の雰囲気が漂流の過酷さや自然の美しさを非常に引き立てています。

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英語版の元の予告と見比べると、日本用にかなりデフォルメしてあるのが分かりますが、それによって本作の魅力がより伝わりやすくなっているんじゃないかと思います。

 

読んでいただきありがとうございました。

「ジャッジ 裁かれる判事」予告 / 無駄がなく洗練された一級品の予告

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「ジャッジ 裁かれる判事」(2014)の予告をご紹介します。

判事の父親と、弁護士の息子の物語を描いた作品です。

 

映画『ジャッジ 裁かれる判事』予告編

https://youtu.be/IWpjxXftXH0

 

 

 

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○無駄がなく洗練された一級品の予告

この予告、派手ではありませんが、本編の良いシーンを上手く繋ぎ合わせて素晴らしい音楽を重ねた、本当に完成度の高い予告編だと思います。

 

判事の父ジョセフが起こした事件の弁護人としてロバート・ダウニー・Jr演じる息子のヘンリーが地元に呼び戻されますが、どんな手を使っても裁判に勝ちたい息子と頑固者の父は折り合いが合わず、すれ違ってしまいます。

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音楽はAugustinesWalkaboutという曲が予告全体で使われています。予告の前半は静かに流れて、0:48ごろから一転して力強い曲調に変わるので、はじめ別の曲かと思いましたが、原曲も本当に途中で転調する曲になっています。

ちなみにAugustinesというのは解散してしまったアメリカのインディーズバンドで、この曲の音源はなかなか音楽配信サービスなどでは見当たりませんでしたが、YouTubeではKEXPというラジオ局のチャンネルからライブ映像が公式でアップロードされていました。

 

Augustines - Walkabout (Live on KEXP)

https://youtu.be/s5opxaVWrl8

 

曲が転調してからは予告も加速度的に進んでいきます。父と息子の関係、昔と今の変化、兄弟たちの後押し、裁判に臨む気持ちなど、それぞれ端的に伝えるシーンが紡がれますが、そのどれもが印象的で、予告だけでも心に来るものがあります。

 

晴天の下で父と反対方向に進んでいくヘンリーですが、何かを決心したようにジャケットを脱ぎます。

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父が長年座ってきた判事の椅子を見つめるシーンも、言葉はありませんがヘンリーの父に対する気持ちが伝わってきます。

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父に無理やり裁判の練習をさせる場面は、父に嫌われようと何としてでも裁判に勝つというヘンリーの決心が表れています。

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子供のころの思い出を話す兄弟たち。ストーリーと直接関係がないように見えますが、昔の親子、兄弟の関係を上手く表していて、この予告に不可欠な場面だと思います。

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思い出の湖を見つめるヘンリー。ロバート・ダウニー・Jrは、MCUのアイアンマン役で有名ですが、こういうひねくれ者だけど周囲との関係に葛藤する役が本当に似合う良い俳優だなと思います。

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昔とはすっかり変わってしまった親子の関係に法廷上で向き合う二人。

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ヘンリーを勇気づける兄のグレン。兄弟のグレンやデイルは、予告内の登場回数は少ないですが要所で重要な役割を担っています。

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ヘンリーのやり方に腹を立て絶縁を突き付けるジョセフと、それでもなお裁判に勝とうと弁護を続けるヘンリー。白熱したやり取りですが、驚くほどテンポよく進み、予告内において無駄がありません。

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最後はドワイト判事とのやり取りで締めくくられますが、この場面によって予告全体が重くなりすぎず軽快にまとめ上げられていると思います。ドワイト判事は今作で親子に敵対する役ですが、悪い人ではないんだなという感じが予告でも十分に表れています。

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印象に残っている場面をあげたら結構な量になってしまいました。

この予告は派手すぎず、重すぎず、どこか爽快感のある後味で、映画館で映画を観る前に流すのに一番ピッタリじゃないかと思います。

 

読んでいただきありがとうございました。

「グランド・イリュージョン」予告 / 見どころシーン連発のド派手予告

映画予告編の魅力について語っていきます。

 

今回は「グランド・イリュージョン」(2013)の予告をご紹介します。

4人のイリュージョニストたちの活躍を描いた作品です。

 

グランド・イリュージョン 本予告

https://youtu.be/wWAYwnujb6I

 

 

 

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○見どころシーン連発のド派手予告

この予告は、情報量はそれほど多くないですが、テンポの良い音楽にのせて本編の見どころシーンを惜しげもなく連発することで、観たら誰でも「面白そう!」と思える仕上がりになっています。次々と繰り広げられるマジックのシーンは、手品というより魔法のように見えて、ちゃんと本編で回収できるのかと心配になりますが、そんなことよりもノリとインパクトを重視して作られていのが分かります。

あと出演している俳優陣も超豪華で、単純にどのシーンも画力があります。

 

最初に登場人物の紹介があって、その後ショー形式で実行されたパリの銀行強盗について描かれます。

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ショーの後にフォー・ホースメンは捕まりますが、彼らは余裕な様子で警察さえも手玉に取ります。

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ここから登場する敵役も、マーク・ラファロモーガン・フリーマンマイケル・ケインと謎に豪華な面々が演じています。

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後半では、より大きな計画を企てていることが判明し、次々とマジックのシーンやアクションシーンが畳みかけられます。

やや大味な印象を受ける予告ですが、札束が燃えるシーンや、ビルから飛び降りて札束に変わるシーンなど、どれも音楽や台詞とのタイミングを考えて緻密に構成されています。

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前回とは打って変わってメッセージ性などはない予告ですが、こういう単純に盛り上がれる予告もとても好きです。

 

ちなみに本作は続編も製作されましたが、その予告編も同じようなテイストに仕上がっています。

 

映画『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』予告編

https://youtu.be/O9_gxGJH5TM

 

読んでいただきありがとうございました。